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プア子のREライフ:カジノ in 澳門(マカオ)編

澳門(マカオ)カジノブログ。魑魅魍魎の酒精に入り浸り、働きたくないからカジノにいく転職活動女子、プア子の記録。

澳門(マカオ)のカジノブログ:2

セナド広場を二人で北へ辿りました。ゴッホ氏は光悦茶色の手鞄を大事そうに抱えています。亜細亜圏の観光客や正体不明の怪しくもお金を持っていそうな方々が、街を賑やかにしています。

 

あたりを眺めながら、ゴッホ氏は秘密のエッグタルトのお話をしてくれました。そのエッグタルトは「金龍蛋撻(ゴールデン・エッグタルト)」というのです。エッグタルトは3種類あるというのは存じ上げておりました。香港はクッキー生地の曲奇蛋撻、パイ生地の酥皮蛋撻、マカオ式パイ生地の葡撻蛋撻。その他に金龍蛋撻というものがあるとは。

 

「そもそも蛋撻(エッグタルト)というのは、ポルトガルにルーツがあり、ポルトガル語でパステイス・デ・ナタと呼ばれているお菓子がオリジナルなんだよ。マカオで食べられるようになったのは植民地時代の1980年代のこと。イギリス人のアンドリュー・ストウ氏が本場ポルトガルのレシピに英国風タルトの要素を加えて誕生したんだ。君も知っての通り、今ではマカオを代表するスイーツにまでなったね。」

「金龍蛋撻というのは、他のエッグタルトとは違うのですか」

葡撻蛋撻はイギリス人が生み出したエッグタルトだけど、金龍蛋撻は現地の澳門人が生み出したものなんだよ。ポルトガル人が最初に植民を行った場所といわれている媽閣廟で作られたらしい。逃げ出した澳門の植民人がイギリス人の食べているタルトを再現しようと、試行錯誤の末、袋小路のどん詰まりで奇跡のように発明されたのが、金龍蛋撻だ。一説には、海の神龍への祈りが重要なのだとか。名前も製法技術も知られていない、謎に包まれたエッグタルト、味も食感もすべてが違うんだよ」

「それは何処で食べられるのでしょうか」

「今でも何処かでこっそり作られていて、夜の街へ運び込まれるそうだよ。儂は金龍酒店というホテル周辺が怪しいと睨んでおるがね。」

そう言って、ゴッホ氏はクスクスと笑うのでした。

 

荒廃したビル群の地下にある工場を私は思い浮かべました。中には神龍像と祈り台が並び、黄金色の金型機械から湯気が立ち上っています。調理場というよりは、神聖な儀式をするための場所なのです。気難しい顔をした職人の方々が、門外不出のレシピに従って慎重に祈りを捧げています。僅かな気の緩みがエッグタルトの味を変えてしまいますから、彼らの顔が難しくなるのも当然です。やがて神秘的な香りを漂わせる生地が、銀製の大きな鍋へ次々と注がれてゆくのです。祈りで食べものを作るなんて、いったい誰がそんなことを思いついたのでしょう。

 

「ああ、食べてみたいものです」

 

ゴッホ氏はベネという老人から金龍蛋撻を教わりました。リスボアのカジノで偶々出会ったそうです。ベネ氏はとある界隈では有名な人物で、カジノへは送迎専用車で乗りつけてくるフゴウであるということでした。彼は金龍蛋撻を振舞いながら、カジノで果てしなく遊んでいるのです。まことに夜の街というところは不思議な世界だと思われました。

 

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